Health and self-therapy information
真実を観る「眼力」59 利他と利己 10 「俯瞰」②
俯瞰・客観視を鍛える実践方法
1. ジャーナリング(思考の書き出し)
感情や考えを紙に書くと、脳内のモヤが外部化され、客観的に見やすくなる。
2. 俯瞰・客観視をストーリー化した実況中継トレーニング法
「自分が今考えていること」を実況中継のように観察する。
(実況中継トレーニング) 声を出して実況してみる
例①:「今、不安になっているな」
「これは過去の経験と結びついているな」
以下、思いあたる過去の経験や、その時、感じた事などを実況中継のように客観しながら話してみる。
例②: 登場人物は「Aさん(緊張しやすい会社員)本人」とします。
場面:会議前の緊張シーン(想定でも構いません)
Aさんは胸がドキドキしてきて、「うまく話せるだろうか」と不安になります。
このときに「実況中継モード」をオンにします。
(実況中継スタート)
「私は今、会議前で緊張していると感じている」
「心臓が速く打っているのを感じる」
「頭の中で『失敗したらどうしよう』という声が流れている」
「それを観察している自分がいる」
👉 ポイントは「私は〜していると感じている」と実況すること。
これにより、自分の思考や感情と距離をとり、俯瞰して眺めることが可能になります。
最初は声に出して(独り言でもOK)、慣れたら心の中でもできるようにします。
3. 視覚的な第三者視点
想像の中で、自分を上空から俯瞰したり、映画の登場人物として観る練習。
日常において自分が役者で、演じている意識で生活してみる。
4. 俯瞰・客観視を鍛えるエクササイズ
(A)身体アプローチ
✅ 呼吸法(4-7-8呼吸法)
① 4秒で鼻から吸う
② 7秒息を止める
③ 8秒で口から吐く
👉 副交感神経が優位になり、心拍数が落ち着く。
✅ 軽い有酸素運動(セロトニン分泌促進)
- ウォーキング(朝日を浴びながら20分以上)
- 歩行瞑想呼吸
🚶歩きながら「右足・吸う、左足・吐く」とリズムを意識。
👉 リズム運動 + 呼吸でセロトニンが出やすい。
- ゆったりサイクリング
- 軽いジョギング
👉 一定リズムの反復運動が効果的。
✅ヨガポーズ
😻 猫のポーズ(マルジャリャーサナ):呼吸とともに背骨を波のように動かす
💠 俯瞰・客観視イメージング:
吐く=胸・腹にたまったモヤモヤ☁
吸う=英気を吸う🍀
☆ 英雄のポーズ(ヴィーラバドラアーサナ):大地に根を下ろす安定感
💠 俯瞰・客観視イメージング:弱さと戦う
😌 屍のポーズ(シャヴァーサナ):完全なリラックスで心を静める
💠 俯瞰・客観視イメージング:天井から自分の屍を眺めている
✅ 自然との接触(森林浴、土いじり、アーシング)
🌋自然との接触
山や森の中を歩く、海を見る、土に触れる→ 自然のリズムがセロトニン系を安定化
✅ 音や香りの利用
🌊 波の音・川のせせらぎ・静かな音楽
🍀 ラベンダーやベルガモットのアロマ
→ 自律神経が整いやすい。
(B)感情アプローチ
感謝リスト(1日3つ書く)
小さな達成体験の積み重ね(脳の報酬系を安定化)
✅ 感情を沈める・心を落ち着ける具体的方法
ラベリング(感情に名前をつける)
「今、私は不安を感じている」
「これは怒りだ」→ 感情が客観視され鎮静化しやすい。
(C)人間関係アプローチ
✅ 安心できる人とのノンジャッジメント対話
👅ノンジャッジメント対話のコツ
『評価しない聞き方』
NG例:「そんな考えは甘いよ」
OK例:「そう思ったんだね」「そう感じたんだね」
『事実と感情を分けて聞く』
相手「上司に怒られた」
返し例:「怒られて、どんな気持ちになった?」
『自分の意見を述べるときも、"Iメッセージ"で』
「あなたは間違ってる」 → NG
「私はこう感じる」 → OK
👉 批判や比較をしないことで「安心安全な関係性」が生まれ、セロトニンが安定しやすくなります。
✅自己開示の練習
🔦小さな本音から話してみる。
5. まとめ
実況中継で「自分を観察する練習」を習慣化
呼吸法・リズム運動・ヨガで身体からセロトニン活性
ノンジャッジメント対話で人間関係を安心の場に
感情ラベリング・自然・音や香りで心を沈める
これらを合わせることで「俯瞰する力」と「心の安定」が同時に育ちます。
✨ 解決の鍵
├─ 俯瞰・客観視 → 感情距離化・今ここ回帰
├─ 身体調整(呼吸・運動・自然)
├─ 感情整理(感謝・小達成)
└─ 安心関係(傾聴・自己開示)
真実を観る「眼力」58 利他と利己 9 「俯瞰」①
『こころの三原色』
脳科学の研究が進歩するにつれて、”こころ”の状態の背景を作るような脳の全体的な雰囲気を決める3要素がある事が分かって来て、これを光の三原色にたとえ「こころの三原色」と呼んでいます。
*光の三原色…赤R、緑G、青Bを光の三原色と呼ぶ
「こころの三原色」の要因となる脳の神経伝達物質は、
ノルアドレナリン・ドーパミン・セロトニンで、
ノルアドレナリンの作用は情動やパニック状態を、
ドーパミンの作用は強い抑制やうつ状態を、
セロトニンの作用は中立的な覚醒状態を形成すると考えられています。
「こころの三原色」を織りなすこれらの神経伝達物質は、どの神経伝達物質が優位に働いているかによって各人の性質、思考、行動パターンに強く影響を与えていきます。
なかでもセロトニン作動性ニューロンの働きが注目され脳全体を冷静な覚醒状態に保つ働きがあり、ノルアドレナリン・ドーパミンの活動を調節して不安感をなくし、精神を安定させ落ち着かせる作用があります。このようにセロトニンは心身の安定や安らぎに関与していることから、幸せホルモンともいわれています。
セロトニン不足はうつ病や精神障害を引きおこし、いわゆるキレやすく落ち着きがなくなり、衝動的、攻撃的な傾向を強めます。またセロトニンは睡眠や覚醒、食欲や摂食障害、性欲にも関与しており、セロトニン不足は睡眠障害や、性欲や食欲を増大させます。
日本人はプレッシャーに弱い、不安に弱いと言われますがこれにはこの神経伝達物質との関連があります。
セロトニントランスポーターといってセロトニン量を調節している運び屋さんがあるのですが、このセロトニントランスポーター遺伝子タイプが不安に関係している事が分かってきました。
セロトニントランスポーター遺伝子は長さによって、短いS型と長いL型に分けられ、その組合わせによりSS型、SL型、LL型の3種類に分類されます。
S型が多ければ内向的で従順、不安を感じやすくプレッシャーに弱い性格で、L型は自主独立型で社交的で活動的になります。
日本人はセロトニントランスポーター遺伝子タイプS型を持つヒトの割合が世界一高い事が分かってきました。
つまり日本人は遺伝的に「不安遺伝子型」を最も多くもつ民族なのです。
関連リンク:https://mountain-top.jugem.jp/?eid=257 幸福になる方法 2
『日本人に見られやすい内面的傾向と精神不安定の関係』
日本人に見られやすい内面的傾向と精神不安定の関係は、セロトニントランスポーターS型が多いという生理学的要因のほか、心理・文化的要因の両面から考えることができます。
1. 生理学的背景(セロトニントランスポーターS型)
S型はセロトニン再取り込みが遅く、環境ストレスの影響を受けやすい。
良い環境では「共感性が高く繊細」になるが、悪い環境では「不安・抑うつ傾向」が強まりやすい。
2.心理・文化的背景
日本人社会特有の内面的傾向として、精神不安定を招きやすい要因は次のように考えられます。
① 同調圧力と過剰な自己評価基準
他者と比較して自分の価値を測る習慣(偏差値、役職、年収など)。
失敗や「違い」に対する許容度が低い社会環境。
②「本音」と「建前」のギャップ
外面的には協調を保つため、本音を抑圧。
感情表現の抑制がストレス蓄積や自己疎外感を招く。
③ 自己否定的な内的対話
「まだ足りない」「もっと頑張らねば」という内的批判が強い。
完璧主義と失敗回避志向が、自信の回復を妨げる。
④ 俯瞰力の不足
問題の渦中にいるときに、状況を第三者視点で見られず感情に飲まれやすい。
視野が「自分対他者」や「今の失敗」に狭まり、長期的な視点を失いやすい。
『俯瞰・客観視が心の安定につながる理由』
俯瞰(ふかん)とは、高い場所から全体を見下ろすことや、「物事を広い視野で見渡す」「物事を客観的に見る」ことを指します。物理的に上から下を眺めるだけでなく、物事を一歩引いて、全体の状況や背景を把握する意味でも使われます。
自他を俯瞰・客観視する意識が、心や意識の成長、そして愛の深化に繋がる理由は!?
1. 脳科学的な理由
(メタ認知の活性化)
自分や他者の行動・感情を一歩引いて観察することは、前頭前野を中心とした「メタ認知回路」を鍛えます。
⏬
これにより、瞬間的な感情反応(扁桃体の過剰反応)を抑え、
⏬
長期的・広い視野で物事を判断できるようになります。
(共感回路の拡張)
自分だけでなく他者の視点を想像する過程で、
⏬
ミラーニューロンや島皮質が働き、
⏬
感情移入や共感力が増します。
2. 心理的な理由
① エゴの減少
客観視は「自分の正しさ」に固執するエゴを弱め、他者の立場や背景を理解しやすくします。
「私はこうあるべき」という固い自己像から解放され、自己受容が促進され自我の柔軟化につながります。
② 感情の統御と距離化
俯瞰することで、怒りや悲しみの渦に巻き込まれず、「今、自分は何を感じているのか」を冷静に見極められます。これは自己受容や自己肯定感を育てます。
感情の渦から一歩外に出る=“感情の距離化”(心理的避難場所)になり、自分を第三者視点で見ることで、「これは自分の全存在ではなく、一時的な出来事」と認識できます。
③ マインドワンダリングの減少
過去や未来の妄想的反芻から離れ、「今の感覚」に戻れます。
3. 「宇宙法則的」な理由
① 視野の拡大は波動の上昇
自他を客観的に見られるようになると、個人的な損得を超えた価値観(意識場)にアクセスでき、高い意識場での波動共鳴(意識の周波数共鳴)がおこります。
② 循環と調和の意識
宇宙の進化方向は「利他・調和・共生」です。俯瞰の意識は、自分と他者、そして全体がつながっているという感覚を強化し、その方向に意識の波長をを合わせることが出来るようになります。
③ 愛の深化
愛は「相手を理解し、存在を尊重すること」から始まります。俯瞰・客観視はその理解の基盤となるため、結果的に無条件の愛に近づきます。(見返りを求めない愛)
🔍 まとめ
俯瞰する意識は「自分を超えた視野」を持たせ、心を広げ、他者と繋がる能力を高めます。
すべての存在が、一つの大きな存在の一部であるという考え方があります。
すべての存在が宇宙の一部であり、宇宙のエネルギーや意識とつながっている、この視点は、自己を超えた存在とのつながりを感じることが、精神的な成長や自己実現につながるとされます。
「自分を超えた視野」への意識の拡大は、自・他の境を取り除き、他者とのつながりを高め、「自分の中に他者が在り、他者の中に自分が在る」意識を育てます。
自己と他者は本質的に同じものであり、互いに影響し合い、その結果、愛は感情的なものを超えて、見返りを求めない「無私・無償・利他・奉仕・超越の愛」に昇華していきます。
「無私の愛」: 自己を犠牲にしてでも他者を思いやる愛。自己中心的な感情を超えた、深い愛。
「無償の愛」: 見返りを求めず、純粋に他者の幸福を願う愛。
「利他の愛」: 他者の幸福や利益を優先する愛。自己の利益を考えずに行動する姿勢。
「奉仕の愛」: 他者のために尽くすことを重視した愛。見返りを求めず、無私の精神で行動する。
「超越的な愛」: 感情や欲望を超えた、より高次の愛の形を指し精神的な成長や自己超越を伴う愛。
真実を観る「眼力」57 利他と利己 8 脳のコウプトの選択と意識の向け方
1.身体性から認知性、人間性、社会適応性へ転用させるコウプト
前述しましたコウプト(co-option)は、もともとある脳回路が本来の機能とは異なる新しい用途に再利用されることを指す事でしたが、多くの場合、進化や発達の過程で身体性制御(身体感覚や運動を処理する回路)に基づく回路が → 認知的・社会的機能 という順序を辿り共用されています。
脳、神経回路を使い回すコウプトが、身体性から起こり、認知的、人間性、心的、社会適応性に発達させたりする理由は、新しい神経回路をゼロから作るより既存の神経経路を転用する方が、エネルギーと時間の節約になるうえ、進化的には新しい機能(大脳新皮質=言語・抽象思考など)は、古い脳構造(旧脳=身体制御)の上に「増築」されるため、自然にコウプトが起こるためです。
https://asa2000-cure.com/diary/184787(asa Health Information 2025.8月号『痛み』 のとり方)
例えば、「体の痛み」からコウプト(co-option)された「心の痛み」は、同じ神経回路や脳の部位を共有しますが、これは、人間の脳の進化過程で、「身体的な痛み」と「感情的な痛み」を結びつけるように発展してきたと考えられています。
つまり、「身体痛」の痛覚経路を「心の痛み」の痛覚経路と共有することで、「身体痛」から発展させ、「心の痛み」や「相手の痛み」を思いやる「共感」としても発展させたのものです。
2.脳は「自己都合」な解釈をする
ロンドン大学で興味深い実験が試みられました。
それは、「かつての同窓生が社会的に成功して羨ましい生活を送っているところを想像してもらう」ものでした。
この時、男女19人の被験者からは前帯状皮質と扁桃体が強く反応しました。これは不安の時に感じる他、嫉妬や妬み、劣等感にも反応する脳部位です。
次に「その羨むべき同窓生が不慮の事故、病気で失墜した」と想像してもらいました。
この場合、同窓生が不慮の事故や病気で失墜したのを聞き、彼の身心を案じて「心が痛む」のであれば脳扁桃体の活動が上がり、ストレスホルモン(コルチゾール)が増加 → 前帯状条皮質(ACC)が活発化 → 「心痛」の反応が脳に見られる筈ですが、ここで反応したのが「側坐核」と言って、報酬回路の「快感」を産み出す脳部位でした。
この実験から言えることは、人の不幸に「痛み」、「共感」するのではなく、それが「快感」となる真逆の脳、心理作用が起きたわけで「ヒトの不幸は蜜の味」なのです。
社会通念ではヒトの不幸を喜ぶのは非人間的で社会悪でもありますが、根源的な感情として脳に備わっているものなので、生物学的観点から人間とは元来、性悪な生き物なのかもしれません!
3.「人類の進化」の方向は?
① 「他人の不幸は蜜の味」、これが現人類の意識レベル!?
「他人の不幸は蜜の味」、これが現人類の意識レベルであるならば、この先、万物の霊長である「ヒト」として、脳のコウプト(共感・調和)を基軸にさらに進化、発展させて行くためには、意識もそれに見合った進化を遂げて行くことが必至です!
なぜなら、気づかないうちに自分の持っている偏見や先入観が判断や行動に悪影響を与え、「エゴに基づく脳のコウプト」=「効率化」への転用が発達してしまい、「無意識のバイアス」が強化される可能性があるからです。
② なぜ「他人の不幸が快感になる」現象が起きるのか
これは心理学でシャーデンフロイデ(Schadenfreude)と呼ばれます。
脳のメカニズム的には次の流れです。
♥ 「通常の共感」
相手の痛み → ミラーニューロンや島皮質(insula)が活動 → 共感的痛み
♠ 「特定条件下での逆作用(シャーデンフロイデ)」
相手が「競争相手」「自分より上位」「ねたましい存在」など → 相手の失敗が自己の相対的地位を上げると脳が解釈→ 報酬系(腹側線条体、側坐核)がドーパミン分泌 → 快感として認識
つまり、脳が「相手の不幸=自分の利益」と誤変換する自己防衛的バイアスがかかるわけです。
これは進化心理学的には、集団内での地位争いや、資源獲得競争が有利に働いた可能性のためと考えられます。
③「脳の発達」が先か、「意識の進化」が先か
これは「鶏と卵」論争ですが、神経科学ではこう整理できます。
💠短期スパン(個人発達) → 意識や思考の習慣が脳の回路を変える(神経可塑性)
例:マインドフルネス瞑想 → 前頭前野の厚みや扁桃体の活動抑制が変化
♣ 長期スパン(進化スケール) → 脳の構造変化が意識の可能性を広げる
例:言語野の発達 → 抽象思考や自己省察の意識レベル向上
結論として、短期では意識が脳を変え、長期では脳の変化が意識を拡張するという双方向関係です。
*但し量子力学的な立場では、意識や思考の習慣が脳の回路を変える(神経可塑性)方向性です。観測(意識)したものが物質化する(脳をつくる)からです。
④ 今後の「コウプト化(神経回路の再利用)」の方向性は?
🐵 報酬優先型(利己的)への方向性が強化されて行くと=「脳の退化」
- 快楽や自己利益を最優先
- ドーパミン報酬系が中心となり、短期的な欲求充足が強化される
- 社会的・生態系的な循環を軽視しやすく、持続性が低い
このまま脳の「報酬優先コウプト化」の方向性が発達してしまうと、
⏬
他者の痛みに鈍感
⏬
自分に有利な時だけ快感を覚える
⏬
エゴイズム優位の方向に行くリスクがあります。
💏 共感優先型(利他的)への方向性が強化されて行くと=「脳の進化」
- 他者や生命全体の幸福を優先
- ミラーニューロンやオキシトシン系が活発化し、長期的で安定した関係性を築く
- 宇宙の循環・調和の法則と整合性が高い
意識的な訓練(瞑想・良心に沿って生きることの実践・身体性を伴う共感体験)により、
⏬
島皮質や前帯状皮質など「共感回路」を強化
⏬
報酬系と共感系が協調する回路に再配線
⏬
「他者の喜びも自分の喜び」と感じる方向へ進化できます。
⑤ 正しい「コウプト化」への「意識の方向性」とは?
「コウプトの発達を利己に向ける」=「報酬優先のコウプト化」の発達、「コウプトの発達を利他に向ける」=「共感へのコウプト化」の発達、どちらを選ぶ(意識を向ける)かは人間の「自由意志」の問題ですが、何れにせよ量子意識の観点からみれば、意識の向けかた次第で脳が「退化」に向かうのか、「進化」に向かうのか、二者択一と思われます。なぜなら意識のウエイトが大きい方向へと、観測(意識)したものが物質化する(脳をつくる)からです。
⑥ 「コウプト化」と「宇宙の法則」との関係
宇宙の法則からすると意識は「循環」を基軸に「共生」、「調和」、「利他」の方向が進化の方向に合致すると推察できます。
ならば、脳のコウプト化も「報酬優先」の方向ではなく、「共感」の方向に向け進んでいかなければ、宇宙の進化の法則から外れ、何れ人類は崩壊していくと思われます!
- 宇宙はエネルギーと情報(暗在秩序)の循環を基軸に進化している
- 「奪い合い」ではなく「与え合い」の方向が、生命システムの長期存続に適合する
- 利己偏重は閉鎖系化し、やがて破綻(社会不安・環境崩壊・精神不安定・消滅)へ向かう
- 利他・共感は開放系を維持し、進化の方向(より高い調和・循環)と一致する
⑦ 人間の「自由意志」の役割
人類の大きな意識の流れは、人類の集合無意識の方向性に依存していると考えることができます。集合無意識は、文化や歴史、社会的な経験を通じて形成され、個々の意識や行動に影響を与えます。この相互作用は、個人と集団、そして人類全体の意識の進化において重要な役割を果たしています。
- 脳は可塑性を持ち、どちらの方向にも学習強化できる(脳が進化するコウプト化 or 退化するコウプト化)
- 選択は個々人の意識の向け方に依存する(脳が進化するコウプト化 or 退化するコウプト化の意識の選択)
- 集団の選択(It from Bit )が文明の進路や人類存亡を決定づける(情報の選択=It from Bit !⇒集合無意識を形成 )
- よって「共感へのコウプト化」の選択は単なる倫理観ではなく、種としての生存戦略=生存への道となる
4. まとめ
- 宇宙進化の法則から外れた脳のコウプト化(利己報酬優先)の強化は、文明、人類の長期的存続を危うくする。
- 『共感・調和・循環』を基軸にしたコウプト化は、人類が崩壊せず進化し続けるための道。
asa Health Information 2025.8月号 『痛み』 のとり方
『痛み』のとり方
1.「体の痛み」と「心の痛み」
「体の痛み」と「心の痛み」は同じ神経回路や脳の部位を共有しているため、脳の中で似た反応が起こることがわかっています。
例えば、誰かに冷たくされたときに「胸が痛い」と感じるのは脳の仕組みによる自然な反応なのです。
2. 「体の痛み」と「心の痛み」の神経回路の共有
体の痛み(身体的痛み)と心の痛み(感情的痛み)は、脳内で同じ領域、特に帯状回(cingulate cortex)や前頭前野(prefrontal cortex)などを介して処理されています。この現象にはいくつかの理由があります。
• 進化的な観点: 人間の脳は進化の過程で、身体的な痛みと感情的な痛みを結びつけるように発展してきたと考えられています。身体的な痛みは生存に直結するため、感情的な痛みも同様に重要視され、両者が関連付けられた可能性があります。
• 生理的な反応: 身体的な痛みは、危険や損傷を知らせるための重要な信号です。一方、感情的な痛みは、社会的なつながりや関係性の喪失を示すものです。これらの痛みが同じ神経回路を通じて処理されることで、個体が危険を回避し、社会的なつながりを維持するための適応的な反応が促進されます。
このように、脳が既存の神経経路や構造を別の用途に再利用する現象のことを、「コウプト(co-opt)」といい脳の効率化と適応戦略のひとつです。
3. 他に見られるコウプトの例
心の痛み・身体の痛みのように、もともと異なる領域だったものが共用経路になっているケースは多くあります。
元の機能 | コウプト後の機能 | 神経・脳領域 |
身体の痛み(侵害受容) | 心の痛み(失恋・社会的拒絶など) | 前帯状皮質(ACC)、島皮質 |
苦味の感覚 | 道徳的嫌悪、社会的嫌悪感 | 島皮質、扁桃体 |
顔認識(視覚) | 顔の表情による感情推測 | 側頭葉・扁桃体 |
音声の知覚 | 言語理解 | 聴覚野 → ブローカ野・ウェルニッケ野 |
眼球運動 | 算術・計算(例:数直線) | 頭頂葉 |
手の運動制御 | 道具使用・書字・タイピング | 運動野+前頭前野 |
摂食の咀嚼運動 | 発話の口腔運動 | 舌・口唇の運動野 |
「苦み」と「嫌悪感」は顔面筋(表情筋)では同じ筋肉が収縮し同じ表情になります。「苦み」と「嫌悪感」の神経システムの共有を垣間見ます。
4. コウプトの意味(なぜ脳は再利用するのか)
脳は新しい配線をゼロから作るより、既存の神経経路を転用する方がエネルギーと時間の節約になるからです。
(主な理由)
① 省エネ
神経回路の新規構築は代謝コストが大きい。既存経路を流用すれば負担が減る。
② 学習スピードの向上
既存の動作や感覚に新しい意味付けをする方が習得が早い(例:舌を使った言葉の発音は咀嚼運動から流用)。
③ 生存戦略
社会的拒絶の痛みを身体の痛みの経路で感じるのは、集団からの離脱を危険信号として素早く察知できるから。
④ 柔軟性
進化的に新しい機能(言語・抽象思考など)は、古い脳構造の上に「増築」されるため、自然にコウプトが起こる。
5. 「体の痛み」と「心の痛み」の緩和や徐痛における共通点
「体の痛み」と「心の痛み」が同じ神経回路を共有しているため、痛みの緩和や徐痛においても共通のアプローチが存在します。
五感を刺激する方法やマインドフルネス、運動などのアプローチが有効であることを示唆していますが、これにより、身体的な痛みと感情的な痛みの両方に対して、より有効なセルフセラピーも可能になります。
(主な方法)
• 五感の刺激: 五感(視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚)を刺激することは、痛みの緩和に役立つことがあります。例えば、リラクゼーション音楽を聴く、アロマセラピーを利用する、心地よい触覚刺激を受けるなどが挙げられます。これらの刺激は、脳内の報酬系を活性化し、痛みの感覚を軽減することができます。
• マインドフルネスや瞑想: マインドフルネスや瞑想は、心の痛みを軽減するだけでなく、身体的な痛みの緩和にも効果があります。これらの技法は、痛みの感覚に対する認識を変えることで、痛みの強度を低下させることが示されています。
<マインドフルネスの行い方>
マインドフルネスの瞑想では瞑想の医学的効果から宗教性を排除した方法をとります。
1.体の力を抜き背筋を伸ばして座ります。(顔面は脳神経支配領域なので顔の力も抜きましょう!)
2.体が欲するがままの呼吸をしながら、呼吸だけに意識を集中します。(鼻から息が入る感覚やそれに伴い胸やお腹が膨らんだり縮んだりする感覚などを詳細に体感するようにします)
3.雑念が浮かんできてもそれを追わないようにしてただひたすら呼吸とそれに伴う体感だけに意識をおきます。
4.最後はまぶたの裏に注意をはらいゆっくり開眼します。
*体がしたいように呼吸させてコントロールしたりせず、肉体が心地よく感じられる程度で長さにこだわらず行ってください。
• 運動や身体活動: 身体を動かすことは、エンドルフィンの分泌を促し、身体的な痛みを軽減するだけでなく、心の痛みにも良い影響を与えることがあります。運動はストレスを軽減し、気分を改善する効果があります。
6. 五感の刺激による痛みの緩和と除痛法
💠『触覚』によるもの
子供が転んだり、ケガをしたりしたときにお母さんが ”痛いの痛いの飛んでいけ” といいながら痛めたところを擦ってやると子供は泣くのを止めたり、「胸を撫で下ろす」という言葉が安心感という意味に使われるのも、「胸を撫で下ろす」という行為自体に情動系を落ち着かせる効果があるので、本当に安心感が得られるためです。
① 「”痛いの痛いの飛んでいけ”」 撫でることで身体の痛みが和らぐわけ
♠ 神経信号の競合(ゲートコントロール理論)
痛みは皮下にある痛みセンサー(自由神経終末)Aδ線維・C線維が痛み刺激で興奮し、痛みの刺激を脊髄(後角)→脳(視床)→大脳皮質感覚野に伝えて痛みを感じています。この痛みセンサー(自由神経終末)Aδ、C線維は、細く・脳への伝導速度は遅い特徴があります。
⏬
一方、皮膚を撫でると(触覚)Aβ線維が強く活動し、脊髄後角の「痛み信号のゲート」を抑制します。
📌 ポイント:Aβ線維は伝導速度が速く、抑制性介在ニューロン(痛み止め)を介して痛み経路を「上書き」できる。触覚を伝えるAβ線維は太く(痛覚Aδ線維の約3倍)・脳への伝導速度が速い(痛覚Aδ線維の約4倍)特徴があります。
⏬
この結果、(触覚)Aβ線維が強く活動するので、脳に届く痛み信号(自由神経終末)Aδ線維・C線維の刺激が減り、痛みが和らぎます。
お母さんの ”痛いの痛いの飛んでいけ” はお母さんの手の刺激(なでる)が子供の(触覚)Aβ線維を刺激して、痛みの感覚神経・自由神経終末(Aδ線維・C線維)を感じなくさせ痛みを消していたのです。
撫でる効果 → 触覚経路(Aβ線維)が痛覚経路を抑制 + 安心ホルモン(オキシトシン)分泌⇒痛みの緩和・除痛
② 「胸を撫で下ろす」が心の痛みを和らげるわけ
♥ オキシトシンやエンドルフィンの分泌
撫でる行為は安心感・愛着を生み、視床下部からオキシトシン(愛情や絆の形成、ストレスの軽減)が分泌されます。
同時に脳内報酬系や下行性痛覚抑制系が働き、エンドルフィン(痛みの緩和、幸福感の向上)やセロトニン(気分の調整)が増え痛みの知覚を下げます。
このように「胸を撫で下ろす」が心痛を和らげるのには、いくつかの神経生理学的な根拠があります。
これは単なる比喩ではなく、実際に身体への触刺激(触れる)が情動系の神経回路に作用します。
Ⅰ. 胸部の触覚刺激と自律神経の関係
胸を撫でると、皮膚のC触覚線維(C-tactile afferents)が刺激されます。
⏬
この線維は「心地よいゆっくりした触れ方」に特化しており、脳の島皮質に直接信号を送ります。
⏬
島皮質は情動・内受容感覚(心拍、呼吸、内臓感覚)と深く関わるため、安心感・安全感を生じさせます。
Ⅱ. 呼吸と心拍への影響
胸を撫でる動作は、同時に胸郭と呼吸筋をゆっくり動かすため、副交感神経(迷走神経)が活性化します。
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迷走神経が優位になると心拍数が下がり、血圧も安定し、情動的な興奮(不安・心痛)が低減します。
Ⅲ. ホルモン・神経伝達物質の変化
心地よい触れ方はオキシトシンの分泌を促進し、扁桃体の過剰活動を抑えます。
⏬
さらに下行性痛覚抑制系を活性化して、身体的・心理的な「痛み」の知覚を両方減らします。
撫でる効果 → 触覚経路(Aβ線維)が痛覚経路を抑制 + 安心ホルモン分泌
まとめると
「胸を撫で下ろす」という行為は
Ⅰ. C触覚線維 → 島皮質 → 安心感
Ⅱ. 胸郭運動 → 迷走神経活性 → 副交感神経優位
Ⅲ. オキシトシン・エンドルフィン → 扁桃体抑制
という三段階で心痛をやわらげます。
7. 言葉のかけ方で「心の痛み」が変わる理由
心の痛みも身体の痛みと同じく、脳の前帯状皮質(ACC)や島皮質が関与します。(痛みやストレスに対する感情的な反応を調整)
優しい言葉:脳扁桃体の警戒信号が下がり、オキシトシン・セロトニンが増加 → ACCの活動が低下 → 痛み・不安の知覚が減る。
否定的な言葉:扁桃体の活動が上がり、ストレスホルモン(コルチゾール)が増加 → ACCが活発化 → 心痛や不快感が増す。
📌ポイント: 言葉は「音」として耳から入るだけでなく、意味情報として脳の情動中枢に直接影響するため、「体の痛み」と「心の痛み」両方を変化させます。
このように、優しい言葉や前向きな言葉は、脳の扁桃体や前帯状皮質の活動を落ち着かせ、痛み知覚を下げることが分かっています。
<痛みに効きやすい言葉の条件>
① 安全感を与える
「大丈夫」「安心して」「そばにいるよ」
→ 扁桃体の過剰反応が下がり、副交感神経が優位になる。
② 自己効力感を高める
「乗り越えられるよ」「あなたならできる」
→ 前頭前野の働きが強まり、痛みに対する脳の評価が変わる。
③ 優しい声色と組み合わせる
言葉だけでなく、声のトーンやリズムがオキシトシン分泌を促す。
具体的なフレーズ例
「痛みがだんだん小さくなっていくよ」
「ここは安全だよ、安心して」
「君の体はちゃんと回復に向かってるよ」
子ども向けなら:「痛いの痛いの飛んでけ〜」
📌 重要なのは、言葉そのものよりも「相手が信頼している人の声で、優しく言われること」です。
これによって脳は「安全」シグナルを受け取り、痛覚や不安を抑える神経回路が働きます。
<心の痛みに効きやすい言葉の条件>
① 感情を否定せず受け止める
「つらかったね」「それは苦しかったよね」
→ 感情の存在を認めることで、前帯状皮質の過活動が鎮まりやすい。
② 孤独感を減らす
「ひとりじゃないよ」「そばにいるから」
→ オキシトシン分泌が促され、社会的安心感が増す。
③ 未来への希望を少し灯す
「必ず楽になる時が来るよ」
→ 前頭前野の活動が強まり、希望的再評価が起こる。
具体的なフレーズ例
「あなたの気持ちは、ちゃんとわかってるよ」
「そばで支えるから大丈夫」
「泣いてもいいんだよ」
「ゆっくり休もう」
「時間が癒してくれるから、無理しないで」
📌 ポイント
心痛の場合、「頑張れ」は逆効果になることもあるため、まずは受容的な言葉が先。
言葉と同時に優しい視線・声のトーン・触れ方もセットで使うと効果が高い。
相手が信頼している人からの言葉ほど、脳の鎮痛・安堵反応は強い。
<自分自身の心の痛みを和らげる魔法の言葉>
これは「自分に優しく声をかける+安心する身体刺激を与える」ことを組み合わせて、脳の情動回路を落ち着ける方法です。
1. 魔法の言葉(セルフトーク)
声のトーンは、穏やかでゆっくり・低めが理想。
脳は自分の声でも安心感を感じることがあり、副交感神経が優位になります。
例:(セルフトーク)
「つらかったね」
「大丈夫、時間がちゃんと癒してくれる」
「私の気持ちはちゃんと大事にしていい」
「私は守られている」
+
2. 効果的な身体へのスキンシップ
胸に手を当てる(心臓の上)
→ 心拍が落ち着き、オキシトシン分泌を促す。
両腕で自分を抱きしめる(セルフハグ)
→ 体温と圧覚刺激で安全感を与える。
胸をゆっくり撫で下ろす
→ 触覚刺激が迷走神経を介して情動を鎮める。
顔をそっと包む
→ 自分に「大丈夫」と言われている感覚を作る。
3. 脳と神経の働き
優しい声の自己暗示 → 前頭前野での情動再評価(1.魔法の言葉)
触覚刺激 → 脳の島皮質や扁桃体の過活動を抑制(2.身体スキンシップ)
両者が合わさることで、心拍・呼吸が整い、心の痛みが軽減される
⏬
自分の心痛にきく魔法の言葉は、声のトーン、効果的な身体へのスキンシップ
まとめ:
「体の痛み」と「心の痛み」は同じ神経回路を共有しているため、痛みの緩和や徐痛においても共通のアプローチが存在します。触刺激(触れる)では自・他ともに、身体痛は痛いところを擦る、心痛は胸に手をあてる、ゆっくり撫で下ろすなどが効果的。
発声(⇒聴覚👂⇒脳)は、声のトーンは穏やか、ゆっくり、低めが安心感を与える。
言葉(⇒聴覚👂⇒脳)は、安全感を与えることば「大丈夫」「安心」
ポジティブなことば、「乗り越えられるよ」「あなたならできる」
感情を受け止めることば、「つらかったね」「それは苦しかったよね」
孤独感を減らすことば、「ひとりじゃないよ」「そばにいるから」「守られている」
このような言葉は、聴覚👂から脳を刺激し、痛み・不安の知覚が減る脳内ホルモンを分泌させ、前頭前野の働きが強まり痛みに対する脳の耐性が高まり、扁桃体や前帯状皮質の活動を落ち着かせ痛み知覚を下げたり、自律神経の副交感神経が優位に働くので、ストレスの軽減、感情の安定、睡眠の質の向上、集中力の向上、社会的なつながりの促進、自己認識の向上、身体的な健康の改善など、身心を落ち着かせ、心身のバランスを整える効果も高まります。
真実を観る「眼力」56 まねる ③ 心を整える身体性トレーニング(実践編)
「身体を整える」、「身体性を高める」ことは「心を整える」ことに繋がる、これを身心相関とも言います。
人の身体構造が出力(身体性)重視に設計、最適化されているなら、「心を整える」ために精神性を高める努力を重ねるより、「身体を整える」方からアプローチした方が効果的、効率的に「心を整える」ことになると言えます。
「意識の偏りを修正」し、「心を整える」ということに意識を置き、身体性トレーニングを通じ、身体の左・右バランス、上半身・下半身バランス、前・後バランス、内・外バランスを整える運動で、身心のバランスを良くし「心を整える」身体運動を紹介します。
🔄 基本原理:身体が整えば、心も整う
- 身体の左右・上下・前後・内外のバランスの崩れは、心理的な偏りやストレス状態を引き起こしやすくします。
- 身体を通して心を調律するには、神経系の安定、筋骨格の整合性、呼吸と動きの統一性がカギです。
- 「整える」とは、左右差・上下差・前後・内外差を感じながら、それらを統合していく意識の流れでもあります。
🔰 まず整えるべき身体のバランス
種類 | 内容 | 整える目的 |
左右バランス | 左右の筋力・感覚の違い | 思考・感情の偏りのリセット |
上下バランス | 下半身の安定と上半身の柔軟性 | グラウンディング(地に足がついた状態) |
前後バランス | 背中と胸の開閉のバランス | 意志と感情の統合 |
内外バランス | 内臓(内面)の働きと皮膚の感覚 | 自己と他者、境界意識の調整 |
<💖心を整える身体性トレーニング(意識調整型)>
1.【左右バランス調整】片足立ち+意識観察
方法:左右それぞれ30秒〜1分ずつ、裸足で片足立ち。
ポイント:
足の裏の感覚をよく感じる
軸のブレに気づく(=意識の偏り)
効果:
自律神経の調整(特に迷走神経)
脳幹レベルの感覚統合を促進
2.【上下バランス統合】「重心落とし歩行」(スローモーション歩行)
方法:下半身の安定を意識しながら、重心を「落とす」ように、ゆっくり歩行。
手順:
足を出す前足の、軸足の重心をかかと→土踏まず→つま先へ移動させる
一歩ずつ「体重を預けて」進む
上半身は力まず、背骨を意識してまっすぐ
効果:
マインドフルネスとグラウンディングの同時強化
🕺上半身(心)と下半身(地)の統合
3.【前後のバランス】1
[骨盤ロール+胸骨の連動] 骨盤前傾・後傾と胸骨前方・後方運動の自覚トレーニング。
方法:
座って、骨盤を前傾・後傾と動かしながら、胸骨も前方・後方へ動かすのと連動させる
呼吸と連動させて、
「吸う:骨盤前傾+胸骨前方」
意識:腰ではなく骨盤の付け根から動かす意識
効果:
骨盤と胸郭の柔軟性とコントロール感覚を高める
脳と脊髄液の循環促進
感情エネルギーの解放と再統合
🔁【前後バランス】を整える意味と効果
身体の前後バランス | 心への影響 |
前のめり(猫背) | 焦り・不安・急ぎすぎ・過緊張 |
後ろ反り(反り腰) | 無関心・恐れ・逃避・無力感 |
中立の軸 | 安定・今ここ・呼吸が深くなる |
【前後のバランス】2
「猫のポーズ(Cat Pose)」は、前後のバランスを整えるための極めて効果的なトレーニング。
このポーズは、背骨、骨盤、呼吸、神経系、感情の流れすべてに作用する、いわば「心身統合のスイッチ」でもある。
🐈 猫のポーズとは(基本)
ヨガの「キャット&カウポーズ(マールジャリ・アーサナ)」として知られ、
キャットポーズ(猫のポーズ):背中を丸める(吐く息)
カウポーズ(牛のポーズ):背中を反らせる(吸う息)
この2つを連動させて背骨を前後に動かしていきます。
🌬️ 前後運動で意識すべき主なポイント
ポイント | 猫のポーズ(背中丸める) | 牛のポーズ(背中反る) |
呼吸 | 吐く | 吸う |
骨盤 | 後傾(尾骨を下へ) | 前傾(尾骨を上へ) |
背骨 | 背中を丸める(一椎ずつ) | 背中をしならせる |
肩甲骨 | 開く | 寄せる |
首 | 丸めて顎を引く | 前を向く・顎を少し上げる |
目線 | おへそを見る | 少し前方を見る |
🎯 前後運動の目的と深い意識
意識の焦点 | 意識の言葉 | 目的 |
呼吸との連動 | 「吸って反らせ、吐いて丸める」 | 呼吸と動作の統一(自律神経調整) |
背骨の波 | 「背骨が波のように動いている」 | 前後運動の流れ・しなやかさ |
胴体の中心感覚 | 「骨盤から動き始める」 | 中心軸(体幹)の再認識 |
心の調律 | 「前屈=内観、後屈=開放」 | 感情の波の調整と解放 |
😻 実践の流れ(1セット5呼吸〜)
1. 四つ這いになる
手のひらは肩の下、膝は股関節の真下
背骨はニュートラル(平ら)からスタート
2. 吸いながら牛のポーズへ
骨盤を前傾(尾骨を上へ)
背中をゆるやかに反らす
胸を開き、喉元を緩める
「私は開いていく」という意識
3. 吐きながら猫のポーズへ
骨盤を後傾(尾骨を下へ)
背中を丸め、お腹を背骨へ引き込む
肩甲骨を開く、頭は下へ
「私は手放していく」という意識
4. 5〜10回ゆっくり繰り返す
💡 応用・深化のためのコツ
1. 背骨を「一椎ずつ」動かす意識
骨盤→腰椎→胸椎→頸椎の順に動かす
波打つような背骨の連動で、身体の「通り道」が開かれる
2. 呼吸の質を高める
動作の大きさよりも、呼吸に伴う動きの繊細さを重視
「吸う息:ひらく」「吐く息:閉じて浄化」
3. 感情の出入りを観察する
背中を丸めると、内省・安心・涙が出ることも
背中を反らせると、不安や抵抗が出る場合も → どちらも「心のバランス」を調整するプロセス
✨ この前後運動がもたらす効果
身体面 | 精神面 |
背骨・骨盤の柔軟性向上 | 感情の流動性アップ |
呼吸が深まる | 思考の静まり・安心感 |
自律神経の安定 | 心の偏りの修正(今ここへ) |
姿勢の中立性が育つ | 内面の中立性・俯瞰力 |
🎁 補足:このポーズが導く「意識の軸調整」
前=未来への焦りや期待
後=過去への後悔や恐れ
⏬
🐈猫のポーズで、その両方を動かし、調和させることで「今ここ」への軸が定まる
4.【内外のバランス...アーシングによる「地」の瞑想】心身一如を育てる
方法:
①「左足:足から地へ、身体に蓄積されている電磁波や邪気が「地」へ放出されるのを感じる」
「右足:足から地へ、身体に蓄積されている電磁波や邪気が「地」へ放出されるのを感じる」
*左右同時意識
②「左足:地を感じる」
「右足:地を感じる」
*左右同時意識
(呼吸で内観)
③ 息を吐きながら
「左足:足から地へ、身体に蓄積されている電磁波や邪気が「地」へ放出されるのを感じる」
「右足:足から地へ、身体に蓄積されている電磁波や邪気が「地」へ放出されるのを感じる」
*左右同時意識
④ 息を吸いながら
「左足:足から丹田に、地のエネルギーを引き上げる」
「右足:足から丹田に、地のエネルギーを引き上げる」
*左右同時意識
③と④を呼吸に合わせ交互に繰り返す。
効果:
自己観察の深化
無意識下の身体パターンと心の状態の再構築
身体と心の境界意識の調整
自他の統合
補足:なぜ身体から心が整うのか?
身体運動(とくに下半身の安定と呼吸)は、自律神経系・内分泌系・免疫系に即時的に作用します。
心の状態を司る前頭前野は、身体の入力(体性感覚..感じる)によって活性が変化します。
特に重心と呼吸を意識的に整えることで、「今ここ」に心が引き戻され、雑念や偏りが静まるのです。
🎯 まとめ:意識の偏りを修正し、心を整えるには…
- 精神性を磨く前に、まず身体性を整える。
- 整った身体が、整った心を育てる。
- そのためには、左右・上下の身体バランスを意識しながら、身体操作、呼吸、歩行を調律する訓練が鍵。
- 前後のバランスを整えることは、「自分の在り方(姿勢)」と「心の姿勢(内面の傾き)」を一致させるための非常に深いワーク。
⏬
これは、「前のめり=未来への焦り」「のけ反り=過去への逃避・不安」など、心の状態が身体に現れやすい軸でもあるため、意識と訓練の両面でアプローチすることが重要。⇒効果:前のめり傾向(焦り)や、のけ反り(不安)を中庸へ戻す(バランス)
- 内外のバランスを整えることは、 自己観察、客観性、俯瞰の深化を促し、身体と心の境界意識の調整と統合により、自他統合の意識による共生・共栄を育む。